カッティングツールについて(プリント&カット・カッティングマシン用)

プリント&カットやカッティングを行う際は当社専用のカッター刃とカッティングホルダーを組み合わせて使用します。ここではこれらのツールをご利用いただくための基礎知識として、その仕組みや仕様について説明します。なお、各ツールの使用方法や各種設定方法の詳細に関してはマニュアルをご覧ください。

 

 
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1)カッター刃形状と「オフセット値」について

 

1)カッターホルダーの仕組み

2)カッター刃の寿命について

 

2)カッターホルダーの二つの使用方法

   

3)カッターホルダーの刃先調整とシートの厚み

   

4)カッターホルダーの寿命とメンテナンス

   

5)カッターホルダーの種類

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1.カッター刃について

1)カッター刃形状と「オフセット値」について →[pdf]

刃物は型番によって角度やオフセット値が異なり、様々な形状をしています。

型番

ZEC-U1005/1002

ZEC-U5025

ZEC-U5022

ZEC-U1715

オフセット値

0.25mm

0.25mm

0.25mm

0.25mm

角度

50°

50°

55°

17°

対応シート

塩ビシート

塩ビ/蛍光シート

塩ビ/蛍光シート

サンドブラスト

キャップ

青色

朱色

白色

緑色

形状

型番

ZEC-U3017

ZEC-U3050

ZEC-U3075

ZEC-U3100

オフセット値

0.175mm

0.5mm

0.75mm

1.00mm

角度

45°

32°

32°

32°

対応シート

塩ビシート
(小文字用)

塩ビシート/サンドブラスト/カードボード

キャップ

黒色

黒色

なし

なし

形状

1*ZEC-U1715はCAMM-1PROシリーズのグリッドロール方式のカッティングマシン用のカッターです。
2*ZEC-U3017はCAMM-1シリーズ(GX-24・CX-12/24を除く)、STIKAシリーズでは使用できません。
3*ZEC-U3050/U3075/U3100はPNC-1600/1610/1900/1910用のカッターです。現行機種では使用できません。

 

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offset
刃物の中心と刃先の先端の位置のズレている距離がオフセット値です。カッティングマシンはオフセットされた刃物をコントロールして刃先の方向を変えてカッティングを行います。

 

sc180

off_s
off_ok
off_l

オフセット値=小

オフセット値=適正

オフセット値=大

 

上図のようにオフセット値は規定値より小さいと角が丸くなり、大きいと尖ります。このことから刃物のオフセット値が正しく設定されているにもかかわらず、カット結果が丸くなる場合は、刃物自体が磨耗したためにオフセット値が下がったと考えられますので、刃物の交換が必要です。

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2)カッター 刃の寿命について

塩ビシートは非常にやわらかい素材ですが、下図のように使用される毎に刃先は磨耗し、また、何らかの原因によって刃先が欠けるなどして少しづつ消耗してゆきます。カッター刃の寿命はお客様が使用される環境や素材、頻度によって変化します。

 

刃先が消耗する過程

 

刃先の破損


刃先の磨耗や刃欠けは初期の段階では品質や精度上、大きな問題にはなりませんし、カット圧を上げることによって切れ味を改善することは可能です。 ただし、カット圧を上げてもきれいに切れない、カットテストの角が丸くなる、などの症状が発生している場合はカッター刃の寿命と考えられますので、新しい刃物に交換することをお勧めします。

 

カッター刃の消耗に関する取扱上の注意点

・硬質のシート、特に反射シートはガラス繊維などを含んでおり刃物の寿命を著しく縮めます。
・カッター刃やカッターホルダーを誤って床に落とした場合なども刃先が欠けてしまいます。
・台紙を突き抜けて製品本体のカッタープロテクタに突き刺さった場合は刃が欠けてしまう場合があります。
また、傷ついたカッタープロテクタはカッティングに悪影響を及ぼします。
カッタープロテクタの交換については当社コールセンターにご相談ください。

 

カッター刃の消耗によって引き起こされる症状

・刃先が磨耗してカッター刃自体のオフセット値が小さくなって、円弧の始終点が合わなくなります。
・刃先の磨耗や刃欠けによってカット線がミシン目になる場合があります。

 

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2.カッターホルダーについて

1)カッターホルダーの仕組み

 
 

製品に同梱されている状態では、ピンとホルダー本体は別になっています。 使用する場合には、ガイドピンとカッター刃を差し込むとマグネットで固定されます。

カッター刃を取り出す時はピンを押し、そのまま引き抜きます。

 

 

2)カッターホルダーの二つの使用方法
カッティングの切れ味を調整する方法には次の2種類があります。(詳細に関してはマニュアルをご覧ください)

 

<カット圧のみで調節する方法>
刃先突出量を最大にしてカット圧のみで切れ味を調整する方式です。
この方法はカッターホルダーの調整は必要なく、カット圧のみで切れ味を調節するために手間隙のかからない簡単な方式です。ただし、カット圧の誤調整によってカッター刃が突き抜けてしまわないように、十分注意する必要があります。また、プリント&カットの際も印刷面を傷つけないように、同様に刃先をいっぱいまで出して使用する必要があります。

 

<先当て式の調整方法>
名前のとおりカッターホルダーのキャップ底面をシートに押し当てながらカッティングを行う方式です。 キャップ底面からはシートの厚さ分しか刃先が突出しないために、いくらカット圧を上げてもカッター刃が突き抜けてしまうようなことはありませんので、安心してカッティング作業を行えます。 また糊が弱まった塩ビシートは切り込んだ部分が捲れ易くなっています。先当て式を利用すれば、シートを押さえ込みますのでこの症状を軽減することができます。なお、STIKAシリーズはカット圧が調整できないためにこの方法のみ利用可能です。

 

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3)カッターホルダーの刃先調整とシートの厚み

カッターホルダーは、シートの厚みにあわせて刃先突出量を調整することができます。このツールを正しく利用すれば、カッティング作業を安心して進めることができます。

 

<刃先調整方法>
カッター刃が先端からギリギリ出ないところが0mmで、ホルダーの先端を右方向に回すと、刃先が出ます。大きな目盛りをひとつ分回すと、 刃先が0.1mm出ますので、シートの厚みに合わせて突出量を調整することができます。

 

[刃先突出量の計算式]

※テストカットを行って剥離紙に少し痕が残る程度が適量です。

 

<シートの厚み>
一般的なシートの厚みは次のようになります。

 

シートの厚み

0.1~0.2㎜

台紙の厚み

0.15~0.25㎜

※ご使用のシートの厚みに関しては各メーカ・販売元にご確認ください。

 

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4)カッターホルダーの寿命とメンテナンス

カッターホルダーも消耗品です。カッター刃ほど頻繁に交換する必要はありませんが、長年使用されているとベアリングが磨耗してカッター刃の回転が悪くなるため、カット品質が損なわれます。ただしカッターホルダー内にカッティングシートの切れ端や埃などが溜ってカット品質を損なう場合もありますので、以下のセルフメンテナンスを実施して、改善されない場合は新品と交換してください。

 

 s セルフメンテナンス

 

<ベアリング部の消耗やカッターホルダー内の埃などによって引き起こされる症状>

ベアリングが磨耗し刃先の回転が悪くなると、刃先が進行方向を向いていない為に次のような症状が発生します。

・カット線の始終点があわない。
・部分的にカットされない。
・カット線がミシン目(破線)になる。

 

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5)カッターホルダーの種類

型番

XD-CH2

材質・色

アルミ製、シルバー

タイプ

刃先突出量調整タイプ

シート

サインシート、サンドブラストシート

特徴

カット品質を要求される場合や、サンドブラストのような
厚みのある材料のカットに適しています。

型番

XD-CH3

材質・色

樹脂製、ブラック

タイプ

刃先突出量調整タイプ

シート

一般サインシート

特徴

一般のビニールサインシートをカットする場合にお使いいただく

スタンダードタイプです。

 

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